“事業専従者に支払う給与の扱い”、青色申告と白色申告ではどう違う?

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2/8のブログでご紹介した「白色申告と青色申告の主な違い」。その主な違いに加えてご紹介したいのが、“事業専従者に支払う給与の扱い”についてです。この点について、青色申告と白色申告では受けられる税制上の優遇措置に差があります。青色、白色、どちらで申告を行うか選択する際の目安のひとつとして、ぜひ知っておきましょう。

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白色申告では“事業専従者への給与”を必要経費にできない

個人事業主が、自分の事業に関する業務を家族などに頼み、それに給与を支払う場合があります。支払った給与額について、「青色事業専従者給与の特例」により一定の要件を満たす青色申告者は必要経費にできるのに対し、白色申告者は必要経費にすることが認められていません。事業専従者への給与を必要経費にできるのは青色申告者のみのメリットです。

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白色申告者が受けられる“事業専従者控除”とは?

前述の通り、白色申告の個人事業主は、事業専従者への給与を必要経費にはできませんが、「事業専従者控除の特例」という税制上の優遇措置が設けられています。
なお、事業専従者控除の金額は下記のように定められています。

<事業専従者控除の金額> ※下記のA.B.の金額のうちで低いほうになります
A.事業専従者が事業者の配偶者の場合は86万円配偶者以外の場合には専従者一人につき50万円
B.控除をする前の事業所得などの金額を専従者の数に1を足した数で割った金額
Bの計算についてはこの文章ではわかりにくいため、計算式と計算例をご案内します。

<事業専従者控除額の計算式>
事業所得など ÷ (専従者の数+1)=事業専従者控除額
※「事業所得など」には、不動産所得や山林所得が含まれます。

<事業専従者控除額の計算例>
★収入250万円 経費100万円 専従者1人(配偶者の場合)
250万円-100万円=150万円(事業所得)
150万円÷(1+1)=75万円
よって、このケースの事業専従者控除額は75万円となります。

なお、事業専従者がどんな人を指すのかについて、下記に要件をご案内します。

<事業専従者の要件> ※下記の要件すべてに該当する人を指します
・白色申告者と生計を一にする配偶者や親族であること
・その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること
・その年1年を通じて6ヵ月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その白色申告者の営む事業に専ら従事していること

※ 学生や生徒は原則として、専従者にはなれません。
※ 白色申告者の事業専従者として給与の支払を受ける人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれません。

白色事業専従者控除を受けるには?

白色事業専従者控除を受けるための要件は下記です。青色事業専従者給与と比べ、ずいぶん簡易な要件となっています。
<白色事業専従者控除を受けるための要件>
1)白色申告者の行っている事業に事業専従者がいること
2)確定申告書に、白色事業専従者控除を受ける旨やその金額などの必要事項を記載すること
<確定申告書(B)/第一表>
赤枠で囲ってある欄に専従者控除の金額を記入します。
専従者控除の金額は、収支内訳書(※)に記入した控除額を転記します。

確定申告書B

【国税庁のWebサイトより】
※画像をクリックすると大きな画像がご覧いただけます

※参考
<収支内訳書>
収支内訳書は、専従者控除前の所得金額、専従者控除、事業専従者の氏名、続柄、事業に従事している月数を記入し、確定申告書に添付します。

収支内訳書
【国税庁のWebサイトより】
※画像をクリックすると大きな画像がご覧いただけます

事業専従者控除と青色事業専従者給与の違いまとめ

以下に、事業専従者への給与に関する青色申告と白色申告の違いをまとめておきます。
<専従者への給与に関する違い>

白色申告 青色申告
事前の届出など 不要 必要
・「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出
専従者への給与の経費計上 できない できる
税制上の優遇措置 事業専従者控除の特例
1.専従者が配偶者の場合:86万円
2.専従者が配偶者以外の場合は、
専従者一人に付き50万円
3.所得の合計額を専従者の数+1で割った 金額と上記の1.2.を比較して、どちらか金額の低いほうが上限とする
青色事業専従者給与の特例
・専従者に支払った給与額を全額必要経費に計上できる
経費計上できる(青色) もしくは控除できる(白色)金額の上限 上限あり 上限は特になし

まとめ

事業専従者に支払う給与の扱いに関する青色申告と白色申告の最大の違いは、“「必要経費」にできるかどうか”です。「しばらく、ひとりで事業を行う予定だから白色申告でいい」と思っていても、急に人手が必要になるかもしれません。アディーレ会計事務所では、ご相談者の皆さまに、できるだけ創業期から青色申告者での事業開始をおすすめしています。これから開業予定の皆さまも、開業前にぜひ税理士などの専門家に相談してみてください。

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【監修:税理士法人アディーレ会計事務所 税理士 花房浩平】

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