忘れるとペナルティーが!会社設立後に必須の社会保険加入を知る

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会社を設立する時には、その前後に色々な手続きを行う必要がありますが、意外に忘れがちなのが、会社設立後の手続きです。今回はその中から、会社の規模にかかわらず必須であり、忘れているとペナルティーを受ける可能性のある社会保険についてご紹介したいと思います。

会社設立時に義務付けられている社会保険加入

会社を設立したら、社会保険に加入しなければなりません。これまで個人事業を営んでいて、これから会社を創ろうという方の中には、「社長一人だけの会社なら要らないのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、会社(法人)の場合には、従業員や役員の人数は関係ありません。社長一人の会社でも、一定額以上の給与(報酬)を得ていれば、社会保険に加入することが法律で義務付けられています。

社会保険は何を指す?その種類を紹介

まず、社会保険の内容をご紹介しておきたいと思います。
社会保険とは、健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険の5つを総称する言葉です。

【種類】

1.健康保険

業務外における病気やケガ、もしくは病気・ケガなどによる休業、出産や死亡などに備えるための公的な医療保険制度。従業員と会社が保険料を半分ずつ負担します。

2.介護保険

高齢者の介護を社会全体で支え合うための制度。40歳以上65歳未満の加入者が健康保険料と合算して保険料を支払います。

3.厚生年金保険

退職後の生活を支える年金を受給するために、民間企業の従業員が加入する公的年金制度。厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務する全ての人に適用されます。

4.雇用保険

失業している間の生活を保障するために、基本手当(通称、失業手当)を国が支給する制度。保険料の一部を従業員も負担します。

5.労災保険

業務時間内に職場や外出先などで事故に遭った場合などに、その治療費や働けない間の給与を国が補償する制度。保険料の全額を企業が負担します。

社会保険の費用はどのくらいかかる?

従業員を雇用して社会保険を支払う場合、その金額はかなりの負担となり得ます。ここでは、およそどのくらいの負担額になるのかをご案内したいと思います。
※下記に出てくる数値は平成29年9月現在の内容です。

【計算方法】

1.健康保険

原則として、毎月の標準報酬額、および標準賞与額の9.91%(都道府県によって異なる)とされており、会社と本人が半分ずつ負担します。

2.介護保険

毎月の標準報酬額、および標準賞与額の1.65%とされており、会社と本人が半分ずつ負担します。

3.厚生年金保険

毎月の標準報酬額、標準賞与額の18.300%で会社と本人が半分ずつ負担します。

4.雇用保険

保険料率は、一般事業であれば9/1,000で、内訳は会社が6/1,000、従業員が3/1,000です。

5.労災保険

保険料率は業種により異なります。

【計算例】

30歳、飲食店業、報酬月額25万円、賞与70万円(夏30万円、冬40万円)で、年収375万円の場合の会社の負担額(この場合の標準報酬月額は26万円となります)

1.健康保険

[260,000円×9.91%×12回+300,000円×9.91%+400,000円×9.91%]/2
→ 378,562円(309,192円+29,730円+39,640円)/2=189,281円

2.介護保険

[260,000円×1.65%×12回+300,000円×1.65%+400,000円×1.65%]/2
→ 63,030円(51,480円+4,950円+6,600円)/2=31,515円

3.厚生年金保険

[260,000円×18.300%×12回+300,000円×18.300%+400,000円×18.300%]/2
→ 699,060円(570,960円+54,900円+73,200円)/2=349,530円

4.雇用保険+5.労災保険

雇用保険料率:9/1,000(うち従業員負担は3/1,000)
労災保険料率:3.5/1,000(飲食店業)
労働保険料=賃金総額×(雇用保険率+労災保険率)
[3,700,000(賃金総額)]×[(3.5+9)/1,000] (雇用保険率+労災保険率)=46,250円(労働保険料)
・事業者負担分は雇用保険の従業員負担分を除いた額
・従業員負担分の雇用保険は
250,000円×3/1,000×12回+300,000万円×3/1,000+400,000万円×3/1,000
11,100円(9,000円+900円+1,200円)
・事業者負担分の労働保険料:46,250円-11,100円=35,150円

なお、平成29年9月時点での健康保険・厚生年金保険の保険料額表、介護保険料率、雇用保険料率、労災保険料率について、詳細を知りたい方は下記をご参照ください。

平成29年9月分(10月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(全国健康保険協会:協会けんぽ)

協会けんぽの介護保険料率について(全国健康保険協会:協会けんぽ)

雇用保険料率について(厚生省)

労災保険率表(厚生省)

人を雇うということはこのような経費もかかるということになるということを認識するようにしましょう。

社会保険に未加入や未納付の場合のペナルティーとは?

上記でご紹介した通り、会社は原則として社会保険への加入義務があります。にもかかわらず社会保険に未加入もしくは未納付の場合、ペナルティーを課されることがある、ということを知っておきましょう。

1.追徴金

追徴金社会保険に未加入の場合に受けるペナルティーです。
年金事務所の調査が入り、未加入が判明した場合には、該当する人数分の社会保険料を
過去2年間に遡って追徴されます。
たとえば、30歳、月収30万円の人が3人いる会社が2年間社会保険に未加入であるケースを考えてみます。 月収30万円の場合、標準報酬月額に対応した厚生年金保険料は54,900円、健康保険料は 29,730円です(『平成29年9月分(10月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表』による)。この厚生年金保険料と健康保険料を合算した金額84,630円の半額(負担額は従業員と折半のため)に、雇用保険料と労災保険料を加算した金額が、会社が負担する社会保険料になります。

今回は簡易に計算するため、厚生年金保険料と健康保険料に限って追徴金を計算してみます。
42,315円(84,630円÷2)×3人×24ヵ月=3,046,680円

毎月払っておかなかったせいで、300万以上の金額を一度に支払う義務が発生することになります。
なお、対象となる従業員が既に退職してしまっている場合などは、本来従業員が支払うべき半額の追徴金についても会社が負担しなければならない可能性があります。

このようなことにならないよう、きちんと加入手続きを行うようにしましょう。

2.延滞金

延滞金社会保険に加入しているものの、未納付の場合に受けるペナルティーです。
社会保険料の徴収および納付は、原則として翌月徴収・翌月納付です。たとえば、9月分の社会保険料は、納付期限の10月末日までに徴収して納めます。9月分の社会保険料を10月に支給した給料から天引きして10月末に納めなかった場合には、その納付期限の翌日から納付した日の前日までの期間の日数分、延滞金が発生しますので、注意が必要です。

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まとめ

会社設立後に必須の社会保険加入ですが、忘れている、もしくは自分の会社は関係ないと思っている経営者も多いようです。本文中でもご紹介したように、加入手続きをしなかったり、納付を忘れたりした場合、大変な金額をまとめて払わなければいけなくなります。
会社をつくる際は、つくるまでの手続きなどに気を取られがちですが、設立後の手続きやその後かかる経費のことも考えておかないと資金繰りが厳しくなってしまうかもしれません。これから会社を設立しようとされている方は、社会保険を含む色々な負担も考え合わせて、設立時期を検討されることをおすすめします。

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