個人事業を開始する前に知っておきたい「開業費」の“範囲”と“メリット”

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個人事業主としての開業準備にかかった費用は「開業費」として計上できますが、どんなものが含まれるのか、そしてそもそも開業費として計上するメリットは何なのか、意外にご存じないという方も多いのではないでしょうか。せっかく設けられている制度をきちんと利用いただけるよう、今回は「開業費」の“範囲”と“メリット”について解説したいと思います。

「開業費」範囲はどこまで?

開業費とは、一般的に、個人事業主の方が「事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用」を指します(所得税法施行令第7条第1項)。通常、下記のようなものが開業費に含まれます。
ただし、固定資産と判断されるものなどは開業費には含まれません。

開業準備の費用とされる例

  1. 書籍、セミナー費用
  2. 名刺、文房具、ソフトウェア(※)などの費用
  3. 打ち合わせのための飲食費や交通費
  4. 携帯電話などの通信費
  5. 広告費、Webサイトの制作費など
  6. 取引先などへの手土産代
  7. 市場調査などの調査費用

※あまりにも高額な場合には開業費と認められない場合があります

開業費の会計処理とそのメリット

開業費については、通常の経費と違い、繰延資産という資産の項目で会計処理を行います。
この「繰延資産という資産の項目で会計処理を行う」というのが開業費のポイントです。これを知っておくことで、利益を出すことが難しい開業期において、適法に節税できる可能性があります。

開業費の会計処理

開業費は繰延資産に該当します。繰延資産とは、「支払った費用のうち、その効果が1年以上におよぶもの」をいい、処理方法には一定のルールがあります。開業費の場合は5年で均等に償却(経費として計上)することもできますし、任意償却(好きな時に好きなだけ経費として計上)することもできます。つまり、全く償却しない・全額償却する・5年で償却するなど、その処理方法を選ぶことができます。
※繰延資産の残存価額がその年の償却限度額となります。

開業費のメリット

細かい説明は省きますが、会社の状況に合わせて、「5年で均等償却する方法」または「任意償却」を選ぶことで、節税対策になる場合があります。どちらの方法がいいのか、については事業の状況によって異なってきますので、税理士などの専門家にご相談ください。

開業費として処理するのに必要なもの

開業費として処理するためには、開業準備に関連していることを示す証拠が必要です。以下のものをを残しておくようにしてください。

・領収書やレシート
個人名で宛名を書いてもらうようにしましょう。上様、空白は認められません。
・日付、発行元、同行者の名前や人数
後で処理する際に必要な情報です。領収書の裏に○○会社の誰と何名で行ったか、など  のメモ書きを残しておいてもいいでしょう。

他にも、海外へ視察や調査に行った場合の費用については、視察先の写真や調査レポートなどが必要になる場合もあります。

「開業費」はどのくらいまで遡って認められる?

どのくらいの期間が開業準備として認められるのか、については税法上では明確な規定はありません。ただし、何年も前に購入したものが開業費に含まれていると、税務調査などの際に疑われる可能性があります。当事務所では、「一般的には半年~1年前くらいまでくらいが妥当な範囲です」とお答えしていますが、必ず状況を確認してから判断しております。開業費の範囲に関しては、専門家の間でも見解がわかれるところですので、税理士などの専門家に相談されることをおすすめします。

まとめ

今回は、「開業費」の“範囲”と“メリット”についてご紹介しました。これから個人事業主として開業しようとされている方は、ぜひ知っておくと役立つ知識だと思います。ただし、経費になるからといって不要なものを購入して開業費に含めることは避けましょう。きちんとした事業計画を立てたうえで、事業の将来に役立つものにお金を使っていただきたいと思います。

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【監修:税理士法人アディーレ会計事務所 税理士 花房浩平】

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